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<フリーオペラント法とは>
・障害をもったこども達が人との関係を強め、コミュニケーションをしたいという動機を高めていき、言葉の獲得を促そうとするアプローチ法です。そのために、人に対する回避、逃避反応を示す障害児らの対人関係改善を重視し、そのための有力な手段として、「だっこ」や「くすぐり」などの身体接触による接近法を用います。

・さらに子どもの自発発声を模倣応答(音声逆模倣)し、発声頻度の増大を図るとともに、こどもの発声と大人の発声の一致が強化機能を有することで音声模倣の誘導をはかります。

・これらの操作を行いつつ、行動上の制限は極力加えずに、子どもの自発的な活動を対人相互作用へと発展させるべく、ヒトそれ自体(およびその応答)が社会的(般性)強化子として機能することをねらいとしています。

・従来の長時間訓練や、特定の場所、人としかできない行動ではなく、家庭でも強化随伴性の維持と模倣行動の自発性を高める操作を加えることで成果を出そうとするものです。

・基本的にはアタッチメント(愛着関係)の形成を妨げるようなことを可能な限り排除し、十分に甘えさせ、自分が受け入れられている、共感されていることを具体的に伝えるために逆模倣を行います。

・障害児指導に模倣行動を取り入れる研究は他にもありますが、大人がモデルを示し、模倣を誘導して強化子(褒めるなど)を随伴させるという手続きです。ただそれよりも、ここで紹介しているように、子どもの発声、動作を大人やセラピストが模倣して子どもの模倣行動の自発を待つ方が、手間はかかりますが、はるかに良好な自発的模倣行動がでます。

・子どもに模倣行動が出現すれば、適切な行動を大人が示すことにより、指導場面だけでなく、日常場面でも自然な強化随伴性により、新しい行動が獲得、維持され、般化すると考えています。

・指導の優先順位として

1 本人及び周囲の人たちの生活を困難にしている行為のコントロール(自傷・他傷・破壊)
2 対人回避行動を解消、緊密な人間関係の形成、甘やかし、依存の形成
3 良好な言語発達と社会性の獲得、集団参加や人間関係
4 知識の獲得と生活スキルの習得 金銭の欲求と管理    などは考慮しています。
引用・参考文献

佐久間徹 2013 「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」 二瓶社
佐久間徹、石原幸子 2015 「発達障害児の言語獲得 応用行動分析的支援(フリーオペラント法)」 二瓶社